「かんりしゃ」の思う、必読文献 2022年版

どうも。「かんりしゃ」です。
こくりでは、たくさんの心理シの学生さんがきます。
一緒に勉強できるのはありがたいですね。

「かんりしゃ」は、そもそもは本大好き人間なんですよね。
学生の頃は本当によく読んでました。

去年この記事をかいた時には、
「今は「お金」「時間」「脳みその余裕」がないため、本当に読めなくなりました。」
と書いていましたが、ここ最近は再び本が読めるようになってきました♪うれしい限り。


学生の皆さん、今が本を読めるチャンスです。
いやってほどたくさん読むことが、心理シとしての土台をつくり、これからの財産になります。ぜひたくさん本を読みましょう。

そして、本好きなら分かってくれると思うのですが、おすすめ本はたくさんあります。
選ぶことはできないのですが、厳選に厳選を重ね、これだけは読んでおこうと「かんりしゃ」が言える本を数冊紹介します。

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『看護のための精神医学』 中井久夫・山口直彦著 医学書院 2004
https://amzn.to/3wEE6Ys

別のページでも紹介しています。
どんだけ紹介すんねん、ですが。それほど基本的な本ということです。精神科臨床のαでありΩって感じです。
中井先生の本や、どれも分かりやすく、かつ、分かりにくくっていい感じです。



『援助者必携 はじめての精神科』 春日武彦著 医学書院 2011
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これは案外最近読みました。
すごく読みやすくて、かつ「かんりしゃ」が肌で感じていたあれこれを巧みな言葉にしてくれています。
「生きるって、ただ生きているだけでよい」ということをさししめてくれているような(そんなことはまったく書かれてないはずです)。



『精神病というこころ』 松木邦裕著 新曜社 2000
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これは学生の頃に読んだはずです。
精神病という現象を、精神分析の理論を用いて、大変分かりやすく解説されています。読んだときはドキドキワクワクでしたね。
余談ですが、あるセミナーで松木先生にケースをみてもらったことがあります。
今思うと「そらそうやん見落としてたわ」という当たり前のことをご指摘いただいたのですが、それを見落とさざるを得ないこと自体が臨床の難しさ&おもろさなんでしょう。



『当事者研究の研究』 綾屋紗月ら著 医学書院 2013
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少し前から言われていますが、これからの臨床は「当事者研究」の時代が来ます、というか来させる必要があると考えます。
とか言いつつ、関心を持つ人は関心を持つにすぎなさそうな気もして暗澹たる気持ちになります。
こくりでも、当事者研究の推進に少しでも寄与したいと考えているのですが。
とは言え、その核たる精神抜きで形式だけ取り入れてもあまりおもろくなさそうです。
当事者研究の本はいくつかあるのですが、この本を選んでみました。
この本のいくつかの章には、当事者研究の核たる部分をさししめてくれているように思います。



『臨床現場におけるパーソン・センタード・セラピーの実務』 中田行重 創元社 2022
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大変、大変おこがましいのですが、「かんりしゃ」の言いたいことを、代弁くださっているところが多い本です。
こくり主催の研修で講師をして下さるので、予習も含めて読んだのですが、臨床の基本をつかむには、大変良い本でした。けど、本当につかむのはむちゃくちゃ難しいことが書かれていそうですが。
いくつか「???」なところがあるのですが、それは考えの違いなのか、人間的深さの違いなのか。ぜひ、中田先生と対話してみたいと思わせる本です。



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興味がある人は、下の本までいってください。興味関心の度合いによっては、難しいかもしれませんが、良い本らばかりです。


『私的所有論 第2版』 立岩真也 生活書院 2013
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このブログの別のページでも紹介している本です。
「わたし」とは何か、を可能な限り原理的に考えようとしている本です。やからむちゃくちゃ抽象的。わかりにくい。読み手に委ねすぎ!!!
立岩先生の本はたくさん読んでいるのですが、最近出してはる本の方が具体性があって分かりやすいです。
けど、この本は超えてない(というか似たことを言っている)ように思います。時間がある学生の頃に、ぜひぜひ挑戦することをおすすめします。



『無痛文明論』 森岡正博 トランスビュー 2003
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この著者も、別の日記に出てきますね。
「哲学」という学問を、引用主体ではなく、「自分で考えてこーぜ」と推奨している人です。
商業的には、別の書籍がこの著者の代表作となりますが、学術的には、この本が代表作となると言ってよいと思います。
大学生の頃に読み、めっちゃおもろいやんってなりました。やからこんな変な人間になりました。よいのかあかんのか。。。



『ついやってしまいたくなる体験のつくりかた』 玉樹真一郎 ダイヤモンド社 2019
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いわゆる「ビジネス書」ですが、大変よい本です。
何となく読んだのですが、こくりの理念を支えてくれる本になっています。
平易な言葉を用いられてますし、まさに「つい」読み進めたくなるような構成になっています。
この「ついやってしまいたくなる」は、臨床心理においても、重要なテーマなように思います。


『マンゴーと手榴弾』 岸政彦 勁草書房 2018
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作家かつ社会学者の著者の、めっちゃよい本です。
沖縄研究と生活史を専門にされている方です。
今「大阪の生活史」プロジェクトをされてます。「かんりしゃ」も参加したかったけど、忙しいのでやめました。
臨床心理学も、このような文章を書かなければならないと思います。
戦火の沖縄で、自決するため父から手榴弾を手渡された少女が、何十年か経て、沖縄に調査にきた人たちに、完熟したマンゴーを手渡す話です。



『自己・あいだ・時間』 木村敏 ちくま学芸文庫 2006
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木村敏(レジェンドなので呼び捨て。。。)の本は、何か1冊でも向き合って読んでおくとよいと思います。
1冊しっかり理解できれば、ほかの本はけっこうすんなり理解できます。けど1冊目が大変です。がんばって。
精神病理学という、めちゃくちゃおもろい学問の礎を築いてきた人です。
公認心理文化にも、精神病理学は根付かせてかなあかんと思いますが、何か先行き暗そうです。なんだかなあ。




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もし、読んだら「かんりしゃ」と話しましょう。
想像の少し上のテンションの高さでしゃべりだします。

当事業所の「障害」の考え方のあれこれ

どうも。「かんりしゃ」です。
このホームページをつくった時に、当事業所の「障害」の考え方の記事を書きました。
1回更新しましたが、「かんりしゃ」の思いをきちんと伝えられている記事です。
また少しずつ更新していこうと思います。

その記事の最後にも書いていますが、この考え方は、さまざまな書籍の影響が大きいです。
その書籍を紹介しておこうと思います。

関心を持った方、特に実習によくくる心理の学生さんは読んでみることをおすすめします。
いわゆる「心理シ」ぽくない書籍らではありますが、心理シ以前?の重要な部分を支えてくれる書籍らです。
是非、読んでみてください!!!そして「かんりしゃ」に読んだ感想をください。想定以上にテンションがあがりますので。


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『障害とは何か―ディスアビリティの社会理論に向けて』 星加良司著 生活書院 2007
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☞「かんりしゃ」が社会モデルについて整理し、考えを深めることができた書籍です。「心理的治療」を語る以前に、「治療」って誰の何のために必要なんかな?と考える契機になると思います。



『私的所有論』 立岩真也著 生活書院 2013
https://amzn.to/38HhzlR

☞下に出てくる森岡正博は、「かんりしゃ」の大学の頃の先生です。
その先生がこれを読んでおくようと言っていたので、学生の頃に読んだ本です。
文庫版ではなかったので、めっちゃ高かったのですが。
はっきり言って何を言っているのかほとんど意味不明でしたが、けど大切な何かをめちゃくちゃ言っているようにも思います。
「かんりしゃ」がこの仕事をしているのも、こくりをやっているのも、この本との出会いは大きいと思います。ぜひぜひ読むことをおすすめします。



『生命学に何ができるか―脳死・フェミニズム・優生思想』 森岡正博著 勁草書房 2001
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☞この本は、読みやすくおもしろいです。
うまく表現できないのですが、福祉や支援にはパンクロックの精神が必要なんじゃないだろうかと思わされ、「かんりしゃ」はずっとそれを大切にしているように思います。
まったくそんな内容ではないのですが。。。
著者は命を軽視する何かに対して、徹底して抗っているのだろうと感じさせられます。



『看護のための精神医学』 中井久夫・山口直彦著 医学書院 2004
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☞精神医学の入門書としては、「かんりしゃ」が評するのもおこがましいほどの良書であると思います。心理シなら、これを読まないと始まらないし、これ何度も読んどけばそれでいいんちゃう?とも思います。
中井久夫さんの他の書籍も大変よいです。たぶん実際会うと知の巨人過ぎてこっちが圧倒されそう。



『べてるの家の非援助論』 浦河べてるの家著 医学書院 2002
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☞こくりでは、活動の柱の1つとして、当事者研究をしていますが、その大元はこれらの書籍の影響です。
やっている中身はずいぶん違いそうですが、そのエッセンスは受けつごうとしています。ええ本です。



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以上です。
ええ本らの集まりです。
こくりの理念は、これらの本が骨格となっています。ぜひー。

資本主義


どうも。「かんりしゃ」です。

『「人新世」の資本論』の中身です。今回は「資本主義」について。



資本主義ってのは、簡単に言うと「資本(≒お金)を増やすことをいちばん大切にしよう」という仕組みのことです。

具体的には、
①お金持ちが、仕事を創り、いろんな人にやってもらう
②いろんな人がやった仕事で得たお金は、お金持ちがいったん回収する
③お金持ちが回収したお金の一部を、働いてくれたいろんな人にわたす
④お金持ちは、残ったお金でより大きな仕事を創り、もっと多くの人に仕事をしてもらう
☞これが続く。いつしかお金持ちは、際限なく大金持ちになっていく!!!


これは、みんなに仕事があるって意味では、よい仕組みやし、がんばった分だけ稼げるからいい感じです。

けど、ようよう考えたら、少し怖くないですか?

怖さ①:お金稼ぎに終わりがない。永遠のお金稼ぎの世界
怖さ②:お金持ちはめっちゃ儲かるけど、端っこの方で働いてる人はそんなに
怖さ③:お金持ちが、お金を稼ぐことだけに目を向けるとすると、稼げさえすれば、はたらいている人が誰であろうと関係ないってことになる。

これらが、資本主義という仕組みのマイナスな面だと思います。

「何言うてんねん。それが当たり前の社会ってもんやろ」と言われたらその通りでしょう。
少なくとも「かんりしゃ」は、資本主義の仕組みの中でしか生きてきてないので、それ以外の仕組みで生活することがどういうことか分かりません。

けど、働きだしたくらいから、終わりのない資本主義って何かやばないか?とは常々思ってました。少なくとも、ずっと働き続けるのんしんどいし、お金稼ぎだけが人生かのように思いたくないって思いはありました。


また、この本は、金稼ぎをすすめ続けると、いろんなエネルギーが必要になる。
そのエネルギーは、自然からもらえるもの。
金稼ぎを続けていくと、自然を破壊することになってしまう、という危機感が書かれています。

その辺りもおもしろいのですが、こくりのことだけで言うと、環境問題にまで踏み込むと一気に難しくなるので、やめておきます。


第1弾は、こんなもんにしておきます。
今回は、資本主義ってどんな仕組みなのかと、そのマイナスな面があるってのをおさえてもらえたらOKです。
金って、考えた人すごいし、平和をもたらしたし、めっちゃ欲しいけど、けど怖いものでもありますね。お金ってほんますごいわ。



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『人新世の「資本論」』 導入

どうも。「かんりしゃ」です。
「かんりしゃ」は勉強が好きな方で、本を読むのが仕事かつ趣味です。
こういうのが趣味やと、めっちゃかしこなら、大学の先生とかとして、えらくなれるのですが、かしこ度合いが中途半端なので、えらい人にはなれません。
ええねんけど。


第1弾
斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(2020)集英社新書発行

これを読みました。

めっちゃ売れた本ですね。
ずっと興味はあったのですが、金欠の「かんりしゃ」は手が出ずにいました。

この本があまりにおもしろい、というか、こくりの理念を支えてくれそうな気がしたので、「かんりしゃ」の学びとしてまとめていこうと思います。

このページのシリーズを今後も続けるのか、今回で終わるのか分かりませんが。


本の大まかな内容は、お金稼ぎをいちばんに考える社会を続けるって、いろいろ犠牲がありすぎひん?って話です。

できるだけ、「かんりしゃ」なりに読み解き、まとめた上で、こくりの運営理念と絡めていこうと思います。
以後、3~4回のまとめになるかな?お楽しみに。


っていうか、著者の斎藤さん、1987年生まれ。年下やってよ。
やべえな。
大阪市大の先生だと。こういう知の巨人が大阪におるというのはうれしいね。


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