ちゅんのMusicRecommendary(6) 『ほんとのきもち / 高橋優』

それが何であれ試行錯誤し傷つけ癒しあう僕らの今日──

日本テレビ系で放送されていた「Q10」という連続ドラマの主題歌だった曲です。ドラマ自体も繊細なシナリオで素晴らしく、それを彩るようにこの曲が花を添えていました。シンガーソングライターだからこその体重の乗った歌詞に、熱い「何か」を感じるのではないでしょうか。


①”階段の片隅で座りうずくまるあの人に…”

冒頭から様々な場面での疑問が並立的に語られ、世の中や自分の周りで起こることたちが、いかに不思議で、いかに不安定で、いかに不明瞭であるかということを訴えかけます。こういう並立的な表現って、謂わば音楽における大喜利だと思います。何でもかんでも並べ立てれば良いわけじゃないですし、森羅万象の中からセンスのある単語や文章を引っ張ってこなければいけません。そういう意味では、こういう構成にしようと思ったこと自体、とてもクリエイティブなアプローチだと言えます。


②”いつからか続いてる戦争の果てに…”

2番も同じように表現が続いていきますが、その中でも一際重たいメッセージです。省こうと思えば省けたはずですが、それでもこの歌詞を選んだというところにミュージシャンとしての覚悟が窺えます。


③”「君が好き」”

真相のはっきりしないものだらけの世の中で、ただ一つ確かなのは「(今、)君が好き」という僕の気持ちだけ。この結びを思いついた時点で、曲の企画書として完璧だと思います。難しいことを解決する策を私たちはいつも何も分かりませんが、そのことを考えたり悩んだりできていること自体は肯定的に捉えたいですし、何より誰かを好きということだけは見失いたくありません。そんな忘れがちだけれど大切なことを、情熱的に思い出させてくれる名曲だと思います。

『ほんとのきもち / 高橋優』
作詞:高橋優
作曲:高橋優



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ちゅんのMusic Recommendary(5) 『ちえのわ feat.峯田和伸 / 東京スカパラダイスオーケストラ』



ばらばらにしたくない──

ゲストボーカルに銀杏BOYZの峯田和伸を招いた、東京スカパラダイスオーケストラの歌モノシリーズの中の1曲です。折り目正しいオーケストラサウンドの中を、自由な歌詞と自由な歌声が跳ね回るエネルギッシュな仕上がりになってます。

①”離れた方が楽だって
分かってはいるんだ”

頭のいい友だちはそう言うでしょう。要領良く生きようよ、ストレスフリーに生きようよ、そんな通念が飛び交ってる世の中です。周りから見れば一層、くっつき合って問題だらけの関係はバカらしく映ると思います。本人もそのことには何となく気づいていますが、それでも”ちえのわ”のままでいたいことを強く叫びます。ただの言葉では言いにくいことを言うために音楽があることを思い出せてくれます。


②”虚しくてまた元に戻した”

本当にいい例えを見つけたと思います。確かに”ちえのわ”って解いた瞬間は強烈に嬉しいですが、そのあとは段々解いてしまった虚しさがやってきて何だか拍子抜けしてしまいます。絡まったままガチャガチャしてる瞬間こそが、”ちえのわ”という存在の本質なんです。


③”めんどくさいのが愛だろっ?”

様々な人と人の関わり方があると思いますが、利益だけで付き合ってる関係ってやっぱり寂しい気がします。愛なら尚更。汚いところも難しいところも含めて愛であって欲しいですし、変な「カタチ」と変な「カタチ」が絡まり合ってて欲しい気がします。それにしても、峯田和伸という男はどうしてこうもずっと魅力的なんでしょう。「何」を歌っているかも勿論大事ですが、「誰」が歌っているかもそれと同じくらい大事です。そういう意味では、この曲を峯田和伸が歌っているということは凄く重要だと思います。彼は、生粋のミュージシャンで、生粋のボーカリストで、生粋の変な「カタチ」ですから。

『ちえのわ feat.峯田和伸 / 東京スカパラダイスオーケストラ』
作詞:谷中淳
作曲:川上つよし



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ちゅんのMusicRecommendary(4) 『風吹けば恋 / チャットモンチー』


走り出した恋は止まらない──


日本を代表するガールズバンド『チャットモンチー』の人気曲です。CMソングだったので、聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。ガーリーでもありシニカルでもある、王道でもあり斬新でもあるような、そんな唯一無二の音楽性がよく表れた一曲だと思います。



①”はっきり言って努力は嫌いさ”

このように、社会に広く通用してる一般的な価値観を”私”は好まないようです。それなのに何故か、見た目や世の中を気にしてしまっている……。そんな恋の複雑な本質を、オリジナリティのある詞で上手く表現しているAメロだと思います。にしても、”はっきり言って努力は嫌いさ”と言えるあたり、音楽って自由なんだなぁと感じます。カッコいい。


②”新しい私がこんにちは
新しい私よこんにちは”

文法的な話になりますが、”新しい私がこんにちは”というのは、新しい私が現れたという事実だけのニュアンス、”新しい私よこんにちは”
というのは、その現れた新しい私を受け入れるようなニュアンスが含まれているように感じます。こういう機微を当たり前のように扱えるのがプロのミュージシャンなんだなと思いますし、また、対句表現の中の一文字を変えるだけで、これほど主人公の感情展開を表現できてしまう日本語の美しさにも同時に感動します。


③”行け! 行け! 私の両足”
ラスサビです。意外なことに、ここでようやく”恋”という言葉が出てきます。今までは”恋”を縁取るように言葉を紡ぎ、最後になってまた、リスナーに”恋”を明確に意識させるという飽きさせない構成です。”私の両足”部分はそれまでとメロディーが変化してますし、そもそも間奏(+アウトロ)だってサビの曲調から考えれば結構奇抜なアプローチです。チャットモンチー自体、メンバー編成やバンドとしての在り方は「完結」までに幾度も変化しましたが、根底にはこういう上質な天邪鬼みたいな感覚が豊かに存在していたように思います。だからこそ、一辺倒なただのバンドの枠に収まらず、未だに多くのフォロワーを増やし続けていってるのではないでしょうか。



『風吹けば恋 / チャットモンチー』
作詞:高橋久美子
作曲:橋本絵莉子


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ちゅんのMusicRecommendary(3) 『私がオバさんになっても / 森高千里』


私がオバさんになっても 本当に変わらない?──

言わずと知れた森高千里の代表曲です。彼女自身による独特な感性の歌詞と明るくてキャッチーな曲調がマッチした、90’sポップスの金字塔と言えます。個人的にも、只のアイドルに収まらない森高千里の抜きん出たブランドが前面に押し出されている随一の名曲だと感じます。


①”秋が終れば冬が来る”

当たり前のことを言っていますが、この導入のフレーズを実際に捻り出すのはすごく難しいと思います。冒頭のブロックで簡潔に語られる、あなたと私のキューティーな関係性。森高千里のミュージシャンとしての才能が遺憾なく発揮されています。

②”女ざかりは19だと”

マイルドに歌われていますが、なかなか刺激的なセリフですね。ただ、そのあとのBメロで、あなたのそんなちょっとひどくて憎らしいところも含めて愛しいという気持ちが表され、見事なカヴァーです。こういう複雑なニュアンスを、洗練された言外的な文章で伝えるということが、謂わゆるセンスとテクニックなんだなと感じます。

③”私がオバさんになったら あなたはオジさんよ”

①に続いて意味としては当たり前のことですが、終盤の展開付けとしてこういうアプローチを持ってこれるというのも、やはり森高千里の内から滲み出る才能なんだと思います。ミュージシャンとして欠かせないセンスとテクニック、それに加えてステージプレイヤーとしての圧倒的な『華』が彼女にはありました。曲の凄さをとやかく解説することは幾らでも出来ますが、とどのつまり、ステージの上で微笑む彼女のその『華』自体が、多くの曲を彩り、多くの人を魅了していたんだと思います。そして、そんな彼女の圧倒的な『華』は、この曲から30年経った今でも、森高千里をオバさんに変えなかったとも言えるでしょう。

『私がオバさんになっても / 森高千里』

作詞:森高千里
作曲:斉藤英夫


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ちゅんのMusicRecommendary(2)『床には君のカーディガン / The SALOVERS』


どうも。「かんりしゃ」です。
スタッフの推し!「ちゅん」のMusicRecommendaryです。

「ちゅん」の個性が出た文章になってますね。ええ感じです。
ぜひとも、よろしくお願いします。


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床には君が脱いだカーディガン!──

The SALOVERS。子供と大人の狭間に立って、青春の複雑な感情と衝動を力強く繊細に描くバンドでした。そんなバンドカラー全開の代表曲を紹介します。

①”「 明日何時起き?」”

“一つになれるのは身体だけでさ”、といきなりのパンチライン。曲のテーマがすぐに分かる上手い導入だと思います。優しくしていることに違和感を持ちながらも、一人が嫌という感情もあって……。そんな青春の複雑な一幕を、SALOVERSの中でもとりわけシンプルで衝動的なアレンジが彩ります。

②”「寒くないの?」”

追いかけてまで引き留めたのに、別の誰かが君を呼んでいて、寝顔も知らない人のように感じられて──。そんな二人の関係性を示すかのように部屋は冷めきっていて、その床で徒に横たわる君が脱いだカーディガン……。決して多くはない文章の中で、状況説明と心理描写が綺麗に同期された表現が、簡潔に矢継ぎ早に独創的に続きます。主人公の中に居座る難しい渦が加速していっているように思えます。

③”「好きだよ」”

“「好きだよ」”をここまで苦く表現するなんて、圧倒的な最後のサビだと思います。恋愛ソングはこの世にごまんとありますが、大抵、幸せか不幸せかの二極です。そんな中、わざわざ青くもどかしいニュートラルな現状を曲にするのは、10代後半から20代前半を音楽と共にあっという間に駆け抜けたSALOVERSだからこそのアプローチだと言えます。『いつでも読み返すことのできる青春を綴った1冊の本として、完結させずに残しておきたい』として、SALOVERSは無期限活動休止という形で幕を閉じました。まさにバンドメンバーの人生や生活がリアルタイムでのみ反映された美しく刹那的なバンドだったと振り返ることができます。

『床には君のカーディガン / The SALOVERS』

作詞: 古舘佑太郎
作曲: 古舘佑太郎


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ちゅんのMusicRecommendary(1)『流星 / TiA』

どうも。「かんりしゃ」です。
「スタッフの推し!」第1弾、ちゅんのMusicRecommendaryです。

別のブログとリンクさせていましたが、いろんな理由で、このブログでまとめるかたちにします。改めてよろしくお願いします

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みんなの「好き」から仕事にする。よろしくお願い致します。


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流星のように――

 テレビアニメ『NARUTO -ナルト-』のエンディングテーマだった曲です。当時は幼なながらに何となく聴いていましたが、大人になってから聴けば、人間や人生に対する想いが強く美しく歌われてる曲だと気づきました。音楽的な観点でも、とても繊細で工夫がされていると思います。

①君

“「それぞれに違う輝きがある」と

笑う君が 一番眩しく見えるよ “

 この歌詞にあるように、主人公は君のことを特別に想っているようです。ただ、それが友だちとしての好意なのか、仲間としての尊敬なのか、はたまた恋愛感情なのかは、はっきりと明言されていません。解釈の幅を広く持たせて、ただ目の前に居る人に対する純粋な気持ちを表現しているように思えます。また、”「それぞれに違う輝きがある」”という台詞を言える君が主人公にとっては一番眩しく見える、というのも素晴らしいパンチラインだと思います。結局、特定の誰かは特定の誰かのことが一番眩しく見えますからね。

②夢

“どんな時も君は君だから

ありのままでいて”

 人間、ごちゃごちゃした荷物に惑わされず、本当に大事なものをありのまま信じて生きることができたらとても豊かなように思います。シンプルかつリラックス……。ただ、それは簡単なことではないでしょう。自分や他人からのたくさんのノイズに悩まされ、希望を見失うこともあるはずです。それでも、夢から差す光を手繰り寄せながら、”迷い続けることがひとつの答えになる”と思えば、気持ちが明るく軽くなるような気がします。

③時

“時は流星のように 長く光る尾を引き”

 今まで流星を色々なものに準えてきましたが、それらを運びながら進む『時』自体が流星のようだという締め括りです。幾らかの過去を残しながら駆け抜けていく時の中でたくさんの今が生まれ、その今と『向き合うべきだ』や『向き合いたい』ではなく、”向き合う強さをあきらめたりしないと誓おう”といった独創的で優しい決意が光る最後のサビだと思います。

『流星 / TiA』

作詞:TiA ・小林夏海

作曲:TiA ・河野圭

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