ちゅんのMusic Recommendary(7) 『14番目の月 / 荒井由実』

つぎの夜から 欠ける満月より──

日本を代表する歌姫・ユーミン(旧姓時代)のちょっと渋い名曲です。切ない乙女心を描いた歌詞ながら曲調は明るくポップで、ライブを盛り上げる定番のチューンだそう。因みにですが、僕の母親がとても好きな曲です。

①”あなたの気持ちが読みきれないもどかしさ…”

ユーミンの曲の多くは恋心を描いています。そして、どちらかと言えばネガティブとも取れる複雑な心情を美しく表現するというところに、一流としての品格とオリジナリティがあると思います。この曲も、一見後ろ向きのように捉えられるかもしれませんが、上品で繊細な言葉紡ぎと高い音楽性によって、見事にポップスとして成立しています。明るさ一辺倒でもなく、説教臭くもなく、誰しもに宿る恋心そのもののリアリティを追求しリスナーの隣に座って歌うような優しさこそが、今まで多くの人に愛されてきたユーミンというミュージシャンの本質のような気がしています。


②”um…IWANUGA HANA”

す、凄いです…。耳に入る分には、「言わぬが花」でも「IWANUGA HANA」でも同じですが、歌詞の視覚性にもこだわるストイックさと茶目っ気は、ユーミン独自のものだと思います。


③”14番目の月が いちばん好き”

歌詞の意味自体の素敵さもさることながら、「14番目の月」というワードに面白さを感じているユーミンの感覚も素敵だと思います。調べたところによると、当時公開されていたとある映画の中の台詞から抜き取ったようですが、それって「このワードは曲のタイトルに使えるぞ!」という創作のアンテナが敏感だってことですよね。考えてみれば、ユーミンの曲たちはタイトルが魅力的で且つ世に溢れる他の曲たちとあまり被ってません。つまり、言葉の連なりに宿るタイトル性や独創性を見抜く力が圧倒的なんだと思います。ひとことで言ってしまえば「センス」なんですが、その非凡なセンスを20歳前後のうちから遺憾なく発揮し、日本の現代音楽の草分けに大きく貢献したんですから、余りにも偉大だとしか言えません。半世紀経ってもこうして、恋や音楽の純粋な素晴らしさを感じさせてくれるユーミンの曲たちと出会えて本当に幸せです。

『14番目の月 / 荒井由実』
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実




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