ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(14)『音楽って、何者?』

Myseroof Albumとは…
Myself(自己)とProof(証明)とAlbum(音楽アルバム)をくっ付けた造語で、オリジナルの音楽アルバムを制作することによって、今まで生きてきた自分とその人生の存在を証明しようという計画のこと。




第14回。前回、『いろいろありすぎ①』と題して、雑多なことをダラダラ書いた訳なんですけども、見返したらそこまで雑多でもなかったのに加え、今回は『いろいろありすぎ②』ではなく、普通にテーマトークの回。行き当たりばったりど真ん中。蛇行運転を楽しむマインドでお願いします。



『音楽って、何者?』

「乃木坂って、どこ?」のシステムを大胆に採用した今回のテーマ。その名の通り、音楽というものが一体何なのかというのを改めて見つめ直す壮大な回(になったらいいな)。個人的にこの冬から春にかけて多くの刺激があり、それに伴って「音楽」というものを考える岐路に立ってたりしてます。んー、一体、君って何者なんだ?

音楽というものを科学するにあたって、先ず引き合いとなる楽曲を挙げたいと思います。『春泥棒/ヨルシカ』という曲です。ヨルシカというのは、ボカロP出身の作曲担当n-buna氏と女性ボーカリストsuis氏による音楽ユニットで、発表する曲たちのほとんどが動画サイトなどで信じられない再生回数を記録している令和世代のメガアーティストでございます。僕自身、ヨルシカも最近の音楽もあまり明るくなく(ボカロ界隈は学生時代よく聴いていました)、この春泥棒という曲も最近出会った訳なんですが、この曲を聴いてとても複雑な感情を抱いたので、今回はそれらを一つ一つ言語化していくことで、僕の音楽観紹介及び音楽というものの分析みたいなものをしようかなと思っております。項目によってはこの曲を少し否定的に解釈しているところもあるので、悪しからず……。




①「素敵〜」
まずはシンプルで肯定的な感想です。この春泥棒という曲は、アコースティックサウンドとバンドサウンドが美しく調和していて、曲調というか音楽性みたいな観点から見てもすごく僕の好みでした。また、この後の項目にも関わってくることなんですが、n-bunaさん時代のボーカロイド作品と比べてよりバンドっぽいアレンジになっているところも重要な変化かなと感じました。


②「これをボーカロイドが歌って欲しかったなぁ…」
まず、ボーカロイド及びボカロ曲というものについて簡単に説明しますね。ボーカロイドというのは人工歌唱ソフトでありまして、パソコンやらで音程を入力するとその通りのメロディーで歌ってくれたりするものなんですが、このボーカロイド(或いはDTM)の登場によって、それまで「プロアーティストじゃないから」「制作環境がないから」「自分は歌が上手じゃないし歌ってくれる知り合いもいないから」などの理由で諦めざるを得なかったクリエイターたちの命がたくさん救われたのです。そうして生まれた曲たちはまた多くのリスナーの命を救い、音楽のみならず個人個人の生き方としてもボカロというものが確固たるジャンルになっていきました。ただ、その先のステップアップを目指して、n-bunaさんは生声で歌うユニットを結成したと思われます。しかしそれは、ボカロやn-bunaさん自体に愛着がある人間からすると少し寂しい気持ちが芽生えるというか、「これをボーカロイドが歌って欲しかったなぁ…」とか思ってしまう訳です。僕自身、やっぱり生声には敵わないと感じる一方で、初音ミクこそが世界一のボーカリストだなとも思っているので、なかなか心中複雑なのです。


③「お金と人が介在しすぎ」
流通しているプロミュージックというのは、もう本当に本当にお金と人がたくさん関わっています。ギターひとつでウン十万、そのギターを繋ぐアンプでウン十万、その音を拾うマイクですらすごい値段、更にはミックスやらマスタリングやらに使う機材はもっとすごい値段でしょうし、スタジオ代だって勿論ありますし、一流のスタジオミュージシャンや録音エンジニアなんかを雇えばもう目が回って仕方ありません。この春泥棒がどれくらいの規模で作られていて、n-bunaさん本人がどこからどこまで演奏や制作に関わっているかは分かりませんが(一応制作裏話インタビューみたいなのを読んだりはしました)、素人がポチポチ自分の部屋でパソコンを叩いて作るだけの音楽とは、リスナーの多さも含めて比べ物にならないと言えるでしょう。そして、その最たる要素がMVです。この春泥棒はYouTubeにてMVが公開されていますが、そのクオリティが凄まじいのです。どうやら外部のCGアニメ制作会社が担当しているみたいなのですが、「これ一体いくらお金掛かってるんだ!?」と口から溢れてしまう程です。これだけお金と人と要素を経由していれば自動的にそりゃ良いモノになるだろうとか思ってしまいます(勿論それだけではないですが)。なんか流通曲に対して、こういうズルいなぁというか暴力的だなぁみたいな感覚がずっとあるんですよね。10代の頃にレーベルからオファーが掛かってデビューしたとか、幼い頃から家の中でクラシックやジャズが流れていたとか、そういうのもそうですし。音楽も人も人生も儚く脆いものです……。


④「原石の方が面白くない?」
先の段落でも述べたように、この春泥棒には多くの要素が介在している気がします。例えるなら、贅沢に磨かれたダイヤモンドでしょうか。それに対して、ポチポチ自分の部屋でパソコンを叩いて作られた曲は、ダイヤモンドの原石です(センスが無ければ原石ですらありませんが)。僕はこれらを比べた時、不確定で不明瞭な要素をふんだんに巻き込んだ綺麗なダイヤモンドより、単純で無骨である意味だらしないダイヤモンドの原石の方に、心惹かれる部分が大きいのかもしれません。映画監督であるマーティン・スコセッシは「最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ」という言葉を残しており、僕はこの考え方が自分にとって座右の銘のひとつなんですが、原石のままの方がよっぽど個人的と言えますよね。ボカロの良さって結局ここなんです。勿論、ボカロから巣立っていったn-bunaさんだからこそ、こういうことは血が滲むほど考えてはいると思いますが、やっぱり寂しいというか悔しい感じはします。時代も令和に突入して、音楽業界もどんどんアップグレードされてきていますが、曲によっては技術や文明が「大事なもの」を追い越してしまっていると感じるものも増えてきた印象です。音楽はどこから始まって、どこに辿り着くのでしょうか。この曲を聴いてそんな途方もない研究をしたくなってしまったのです。




とまぁひと先ず今回はこんな感じ。文字数も結構多くなってしまいました。この『音楽って何者?』ですが、まだまだ解き明かしたいことがあるので、ちょこちょこシリーズにしていけたらと考えています。ぼちぼちと、大体で……。そして、再三言及しているこのブログの視認性でございますが、「オープニングの文章はもう要らないかも」と思ったりしてます。それに加え、改行の取り方や括弧の使い方などももうちょっとシンプルにしたい気もしてます。んー、難しい。少しずつでも進んでいきたいところです。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(13)『いろいろありすぎ①』

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第13回です。個人的に年明けからバタバタの毎日を過ごしていて、なかなかこの日記を更新できずにいました。いろいろありすぎ。第1弾。



『いろいろありすぎ①』
“いろあり”。ということで何から話せばいいのやら。というかどこまで話したのやら。そんな訳で、まずは進捗報告。前回の記事を読めば、7曲目やら8曲目やらのことを書いていましたが、相変わらずややこしいので最新の情報も含めてちょっと表にしてみましょう。どん。


1曲目 [冬の曲] 完成

2曲目 [おかしな曲] 完成

3曲目 [空の曲] 完成していたが恐らくボツ

4曲目 [ループの曲] 完成

5曲目 [大トリの曲] ボツ → [夢の曲] 制作中

6曲目 [火の曲] 完成

7曲目 [秋の曲] 制作中

8曲目 [手紙の曲] 構想中

9曲目 [愛の曲] ほぼ完成


こんな感じになってます。更新点としては「空の曲がボツになりそうなこと」、「7曲目もまあまあ出来ているけど完成させるにはいくつか問題がありそうなこと」、「急転直下で9曲目が完成しそうなこと」、「既完成曲たちを少し手直ししたこと」などですかね。この表を踏まえて、今回は取り敢えず大きな動きが生まれた9曲目についてだらだら書こうと思います。
バタバタの日々とは裏腹に書きたい曲が幾つか浮かんでしまった内の1つ、9曲目。呼び名は[愛の曲]。或る日のお風呂上がりに曲の設定が降ってきてしまい、これは書くしかない雰囲気になってしまい、僅かひと月足らずでほぼ完成に漕ぎ着けてしまった形です。まだまだ修正が必要な箇所はあるんですが、”いろあり”でもう面倒くさいのでひと先ず完成という区切りをつけようかなと考えているところ。衝動だけで突っ走った制作期間の中ではとある事件も起きました。制作が佳境に突入した段階で、急にアンプを通じたギターの音色が変化してしまい元に戻せなくなってしまったのです。「ギターを録音するという行為」には膨大な要素が絡んでおり、一度変化してしまうとなかなか再現するのは難しいところ。それまでたくさんのフレーズを録音していたので、もうあまりのショックに茫然自失でした。結局、何とか食らいついた再現で残りを録音するという形でお茶を濁したのですが、この苦い経験から”2つ”やるべきことを思い付きました。1つ目は、ギター のリペア。リペアというのは要は修理とかメンテナンスみたいな意味で、楽器屋さんやらに依頼して楽器を整えてもらうことです。今回の失敗をもう繰り返さないように楽器のコンディションをまず万全にし、その他のセッティングによる音色の管理ももう少しちゃんとやっていこうと思ったという訳です。2つ目は、出張DTM教室の検討。もう1人でやるのは限界です。DTMのトラブルには、プロの手を借りて適切に早急に効率的に対処していくべきだと感じたという訳です。とまぁ、色々なバタバタから、色々な困難が生まれ、色々な変化に繋がっていってます。”きっと最悪も最高もワンプレートでやってくる”なんてあのバンドの歌詞を思い出したような……。



ということで、”いろあり”第1弾はここまでとしておきます。うー、大変。現在、音楽以外のこともやることが山のようにあるので心身共にクラクラ。それに伴って文章もグラグラ。このブログの更新も次はいつになるやら。そんな感じでぼちぼちですね。そしたらまた、次回。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(12)『ややこしそうな7曲目 / 何となくの8曲目 / 成長のグラデーションが生まれてしまう』

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第12回。まだまだ書くことがあるような、なくなってきたような。とにかく曲を作るということはかなり大変なのであります。



『ややこしそうな7曲目』
6曲目[火の曲]が完成してから少し休み、既に7曲目と立ち向かっています。6曲目[火の曲]と似たような構成でありながらも、7曲目の方がかなりややこしそうな雰囲気アリ。今までやってこなかったことにもチャレンジしますし、曲の世界観もなかなか難しいものにするつもり。その分、完成したときにはより感動するはずですが……。さぁ、乗り越えられるかな。7曲目の呼び名は、[秋の曲]としておきます。


『何となくの8曲目』
まだほとんど手を付けてはいませんが、何となく8曲目の構想が生まれています。今まで作ってきた曲たちにはある程度設定みたいなのがあったことに対して、この8曲目では「自分のこと」を書こうかなと考えています。少し話が逸れますが、ミュージシャンたるもの「自分のこと」を書いてなんぼだなって思います。結婚してる人が失恋の曲を書いても説得力が感じられないですし。僕は、フジファブリックの志村正彦が大好きなのですが、彼はいつもまっすぐ前を向いて「自分のこと」を歌っていました。コンポーザー(作曲家)というより、もっともっと個人的でもっともっとジャンルレスな営みを大事にしていた印象です。結局、バンドのフロントマンってそういうことなんですよね。話を戻して、僕もそろそろそんな「自分のこと」を書こうかなと考えた訳なんですが、想像するにかなりしんどいと思われます。だってパーソナルな部分をカタチにする以上、絶対良いモノにしたいじゃないですか。さぁ、こちらもどうなることやら……。作業をしていくうちにまた具体的な苦悩が出てくると思うので、取り敢えずはそれをお楽しみに。案外、スッと書けたりして? いやいやそんな甘くない? 8曲目の呼び名は、[手紙の曲]としておきます。後々、変わりそうですが。


『成長のグラデーションが生まれてしまう』
僕は一昨年の秋にDTMを始めました。そこから悪戦苦闘しながらも一応のところ5曲ほど作り、その5曲は全て今プロジェクトのMy Seroof Albumに入れるつもりでした。しかし、このやり方でいくとアルバムに入れるつもりの12曲たちにかなりのクオリティの差が生まれてしまうのではないかといった疑問が出てきました。変な話、生涯で一番最初に作った曲から12番目に作った曲の間には著しい成長のグラデーションがあるのです。それらを一緒くたにアルバムに入れてしまうことに、12曲目を作った時の僕は納得できているのでしょうか。現段階でも、3曲目[空の曲]の出来に不満があって、アルバムに入れるほどのものではないように思ってしまっています。そしてこれから先も過去の曲に対して、「この曲のここもっとこうすれば良かったなぁ」や「もうこの曲自体をボツにしたいなぁ」みたいなことが山ほど出てくるはずです。さぁ、大変。どれくらい諦めて、どれくらい突き詰めればいいのでしょう。諦めすぎるとアルバムとしてのまとまりが失われ、突き詰めすぎるとアルバムは一向に完成しない。結局、いつもこんな感じ。しんどい登山です。



相変わらず見にくいブログです。もっとスッキリした構成を検討していたりしていなかったり。記事の内容もここ最近は行き当たりばったり。だけどそれもまた良さだったり。ということでまた次回。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(11)『6曲目[火の曲]の完成 / もちべーしょん』

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第11回です。なかなかたくさん記事を書いてきたみたいです。今回はようやくの完成報告。折り返しっぽいけど、実は折り返し手前。正念場ですが……。


『6曲目[火の曲]の完成』
遂に6曲目[火の曲]が完成しました。これで完成した曲数は5。折り返し手前という訳です。とは言え、完成してからも都度都度修正が入るので、それを込み込みで考えると全体の1/3くらいでしょうか。結構頑張ったような、結構まだまだのような。そんな感じです。今回の6曲目[火の曲]ですが、色々上手くいってないところもありつつまぁまぁの自信作になりました。今までの曲の中では一番クオリティが高くて聴きやすいと思います。思うだけかしら。反省点としては、やっぱり全体的な音質や音像が流通音楽に比べてどうしてもショボいというところです。ギターの音も近いのに遠い感じがします。ここら辺をクリアできるかどうかがプロとアマチュアの分かれ目のような気がしますが、僕にはどうすれば改善していくのか想像もつきません。大変な世界です……。


『もちべーしょん』
モチベーションが無くなってきています……。初めて曲を作るドキドキも醒め、かと言って完成に近づいている手応えも感じられず、橋の真ん中でストンとへたり込んでしまっている状況です。なぜアルバムを作るのか、なぜ曲を作るのか……。論理的な答えは毎回記事の冒頭に貼り付けている説明に在りますが、それだけで無事にゴールテープを切れるなら簡単な話です。曲を作る目的として大まかに2つあります。「自分で聴く」か、「誰かに聴かせる」か。この衝動が所謂モチベーションという訳ですが、少なくとも今この衝動が枯れつつあるんだと思います。そして、アルバム制作を進めていく過程の中で何となく気づいたのですが、自分はやはり誰かに聴かせるという目的に傾いているように思えます。というか、「自分で聴く」のはやがて「誰かに聴かせる」ことに繋げるためのような気がするのです。現在、僕の周りには聴かせる人があまり居ません。それはつまり、「聴かせる人が居ないのになぜ作る?」ということなのです。そりゃ、モチベーションも湧きません(情けないことですが)。最終的には、”聴かせる”という営みを真剣に科学することに行き着きました。”聴かせる”って一体何なんだよ。またいつか、詳しく書きます。


今回は、文字量控えめ。記事を書くのもなかなかエネルギーが必要です。次回は、7曲目について触れるか、”聴かせる”の研究か、はたまた別の雑談か。どうなるでしょう、色々。色々……。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(10)『やっぱり完成は難しい / 大トリ曲の行方』

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第10回です。第10回ですが、実は第12回。キリが良いようで、悪いようで。今回も完成報告は叶わず、雑談のような愚痴のような?



『やっぱり完成は難しい』
今回は6曲目[火の曲]の完成報告のつもりだったのに……。珍しく歌詞が定まらず、完成には決め手を欠く出来のまま幾日経過中。とはいえ流石にそろそろ固まってくると思いますし、固まらなくても一先ず「完成(仮)」としてしまう方が総合的に考えて良さそうです。とまぁ進捗としてはこれだけなので、ここからは愚痴。第7回で書いた「リスニング環境問題」がここにきてもやはり突き刺さっています。スピーカーで聴く場合、ヘッドホンで聴く場合、イヤホンで聴く場合、パソコンから直接聴く場合、タブレットから直接聴く場合、スマホから直接聴く場合……。挙げ出せばキリが無く、そのどれもが異なるキャラクターを持っています。超ざっくり言えば、高級で上質な機材であるほど音全体のバランスを気にしながらも低音を強調、安価で質の悪い機材であるほどバランス度外視で拾いやすい中音を強調する傾向にある気がします。ですので、どの機材に照準を合わせるかで全然仕上がりが変わってくる訳です。仮に、僕が自分の完成した曲を誰かにURLか何かで送った場合、その誰かはどんな機材でその曲を聴くでしょうか。大方、そのURLが送られてきた機材から直接聴くか、そこら辺にあるイヤホンで聴くことになるでしょう。スピーカーやヘッドホンでわざわざ聴く音楽意識の高い人はなかなか居ないはずです。となると、中音を絞った仕上がりを目指した方が上手く曲が伝わりそうです。ただ、そうすると今度は僕が自分でスピーカーやヘッドホンでその曲を聴く場合の迫力が減ってしまいますし、もっと言えば、iPhoneを買ったときに付いてくるイヤホンなんかは付属品でありながらもなかなかハイクオリティで低音も結構前に押し出したりします。とどのつまり、「めんどくさいぃぃぃ」ということですね。この先も残念ながら、「誰」に聴かせるかによって曲の凹凸は変わってしまうことに挑み続けなければいけないみたいです。


『大トリ曲の行方』
元々大トリ曲として浮かんでいた5曲目は、アウトプット序盤で「なんか違うな」となって頓挫してしまいました。それに伴い「大トリ曲どうするの問題」が発生し、暫くの間その行方は保留としていましたが、全く別の新しい曲を採用する形で解決を図りそうです。そもそもその全く別の新しい曲というのは前々から頭の中には存在していて、尚且つ「人生で最も大事な曲」になる予感があったので、アルバムには敢えて入れないつもりだったのですが、「そんなに大事な曲をわざわざアルバムに入れないのも変だな」と思い直し、堂々の大トリ曲という重大な席を与えることにしました。ただ、それだけ大事な曲を納得いくクオリティで無事にアウトプットすることが出来るのかという不安は付き纏います。「大トリ曲」なので妥協できる余裕はあまりありませんし、元々の5曲目が頓挫していることも自信を削ぐ要素です。果たして、未来の僕はどうなっているのでしょうか……。
そして、この「大トリ曲どうするの問題」の取り敢えずの解決によって、曲の呼称と序数を下記のように変更したいと思います。


5曲目 [大トリの曲] → 5曲目 [夢の曲]


この5曲目[夢の曲]というのが全く別の新しい曲という訳です。取り掛かった順番は厳密に言えば5曲目ではありませんが、そのまま入れ替えた方が視認性が良さそうなので。



雑多な第10回、終了。ボツとなった元々の5曲目をどうするかといったことも考えつつ、今回はこの辺で。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(9)『DTMで曲を作る上での具体的な手順と苦悩』

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第9回です。鋭意制作中の6曲目[火の曲]にそこまで進展がないため、また雑談のような愚痴のような記事を書きたいと思います。



『DTMで曲を作る上での具体的な手順と苦悩』
折角のDTM作曲経験なので、その工程をだらだら綴ってみます。あくまで自分の場合です。


①曲の設定を思いつく
まず、どんな曲を作りたいかを思いつく必要があります。これは思いつこうとして思いつけるものではないので、日常を過ごしながら頭の中に突然降ってくるのをとにかく待ちます。何でもない設定ならいくらでも降ってきますが、「これだ!」と思えるものはそこまで多くありません。


②詞を書く
いわゆる「詞先」というやつですね(aikoとかもそうらしい)。メロディーなどの音楽的要素はそこまで考えずに、詞を書ききってしまうことが多いです。その後、メロディーを当てがう際に音の数が合わない場合は多少いじったりもします。


③大体のメロディーを決める
詞や世界観にマッチする大体のメロディーを決めます。詞の段階で何となく浮かんでいることもしばしば。コード(曲の後ろで鳴っている和音)もここでほとんど決めます。しっくりこない箇所や浮かばない箇所は、実際にパソコンに入力する時まで保留にします。


④曲の構成や小節数をノートに書く
これからパソコンで作業をしていく上での目盛りとして、曲の構成や小節数をノートに書いていきます。結構めんどくさいので省いたりもしますが、やっぱり有った方が便利です。


⑤初期設定やアレンジを考えたりする(ここからDTM)
ここからDTMです。パソコンの作曲ソフトを開いて、曲のスピードなどの初期設定を決めます。また、どのようにアレンジの作業をしていくかの見通しも立てます。これをある程度やっておかないと、曲を作っている途中で前にも後ろにも進めなくなったりします。


⑥コードを入力する
曲の構成に合わせて目盛り代わりにコードを入力していきます。そのコードを簡単なピアノの音か何かで暫定的に鳴らし続けながら、その後の作業を行います。最終的な判断によっては、そのピアノの音か何かをそのまま曲の中に使ったりもします。


⑦VOCALOIDを入力する
曲によりますが、次はVOCALOIDを入力することが多いです。歌が入ればこちらも目盛り代わりになるからです。詳細な歌声などは後回しにしたりします。


⑧ドラムを入力する
これも曲によりますが、次はドラムを入力することが多いです。思えば、より目盛り代わりになるものから入力しているみたいです。ドラムは基本的に曲の雰囲気を絶えず受けながら鳴り続けているものなので、トラックに既に組み込まれているとその後の作業がとてもし易いという訳です。


⑨ベースを入力する
やはり曲によりますが、次はベースを入力することが多いです。ベースは基本的にそこまで派手な動きをせずに曲の流れを忠実に反映しているものなので、やはりその後の作業を考えると早い方が良いという訳です。


⑩鍵盤系を入力する
どうしても曲によりますが、次は鍵盤系を入力することが多いです。アレンジの核となるメロディーを入力したり、その他諸々。とまあこうは言っていますが、僕は鍵盤系のことは特によく分からないので適当です。


⑪ギターを入力する
何だかんだ曲によりますが、次はギターを入力します。ギターだけは実際のギターを演奏して入力しているため、それを行う前に出来るだけデジタルなパートを入力しておきたいということです。これでほとんどのパートの入力は終了です。


⑫最終調整
各パートの音量調整、録音と録音の繋ぎ目をクリアにする作業、その他諸々の強弱やアレンジなどをちまちまちまちま確認していきます。重箱の隅をつつき出せばキリが無いので、それなりのところでけりをつけて完成(仮)とします。この完成(仮)に漕ぎ着けるまで、平均2〜3ヶ月かかってしまいます……。


⑬動画作成
ここからはDTMという訳ではありませんが、一応紹介しておきます。完成(仮)した曲に歌詞をつけてあげて簡単な動画を作成します。その方が自分も他人も聴きやすいのでね。そんなに大変な作業ではありません。



色々抜けているところもありそうですが、大体こんな感じ。⑧〜⑩あたりの軸となる強固なパートが無いまま一つ一つのアレンジを捻出しないといけないフェーズが結構大変です。ギターの録音もかなり繊細な作業で、頭と神経を働かせ続けていないと、最終的な音の仕上がりが「ちゃきちゃき」しちゃったり(ニュアンス)。とにかく地道な作業が続く上に困難にぶち当たっても訊く人や媒体がないという二重苦の中を、なんとか藻掻きながらやっていってるという具合です。これから先、もっと具体的な愚痴が増えていくかもしれません……。悪しからず。ということで今回はこの辺で。次は、第10回。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(8)『この日記の視認性向上と方針』

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第8回になりました。とは言っても第0-1回と第0-2回を合わせると、10記事目。ここでひとつ、この日記の視認性向上と方針の見直しをしてみたいと思います。

『この日記の視認性向上と方針』
My Seroof Albumに入れる曲数は12曲を予定しています。そのうち6曲が既に作業に取り掛かっていて、更にその中で4曲が完成(仮)に漕ぎ着けています。日記の更新が進むにつれ、それらの曲たちが乱れながら話題に上るようになってきたので、それぞれに簡単な[呼び名]と情報を与えて視認性向上を図ろうと思います。また、◯曲目というのは取り掛かった順番で序数を割り振っており、実際のアルバムに入った際の順番ではありません。

1曲目 [冬の曲] 完成(仮)
冬がテーマの比較的静かめな曲です。初めてDTMにチャレンジした曲なので、今聴くと流石にショボいです。いつか手直ししたい。脳内で想定していたキーを試すとVOCALOIDが綺麗に歌ってくれなかったので、不本意ながらキーをかなり下げたという裏話もあったり。

2曲目 [おかしな曲] 完成(仮)
ふざけた曲です。やりたい放題やったら、思ったよりまとまりました。完成した順番で言えば、この曲が人生で初めて作った曲になります。

3曲目 [空の曲] 完成(仮)
空をテーマにした曲です。詞が出来たときはまあまあ手応えがあったのですが、メロディーやアレンジが加わるとやはりショボくなってしまいました。何かを伝えるということはそれなりに技術も必要ということです。

4曲目 [ループの曲] 完成(仮)
それぞれの楽器パートをずっとループさせたまま曲が進んでいくという変則的な構成を採用したので、作業量があまり多くなかった曲です。

5曲目 [大トリの曲]
大トリを任せたいくらい脳内では思い入れのあった曲でしたが、いざアウトプットを始めてみると大挫折。現状、隅っこに置いといてあまり考えないようにしています。ボツまであるかも。

6曲目 [火の曲]
この記事を書いている現時点で作業を進めている曲です。今まで何曲か作ってきたことによる経験や知識を多少は活かせている気がしています。完成まであともう少しのようなまだまだのような。

という訳で、自分なりの視認性向上でした。折角なので、これから書く日記では今までの曲について触れる機会も増えてくるかもしれません。
また、これらの曲をこの日記で公開するかどうかといった方針についても話しておきたいと思います。こういう進捗報告の日記を綴っておいて完成した曲を載せないというのはちょっと変な話かもしれませんが、現状ではあまり曲の公開は想定していません。公開するとしてもアルバム自体が完成したときのような気がします。ただまあこの先どうなるかは分からないことだらけなので、何とも言えませんです。取り敢えず、こういう方針の日記だということを改めて整理してみたところです。
それでは、第9回で。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(7)『リスニング環境の違い / パソコンくん』


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第7回です。このブログの記事はどうやら、◯曲目が完成しましたなどの「進捗報告パターン」と、曲を作るという過程の中で生まれる悩みや音楽そのものについて思っていることを書く「雑談パターン」がありそうです。今回は、後者です。


『リスニング環境の違い』
当たり前ですが、曲を聴くときの環境は人それぞれです。スマホから直接聴く人も居れば、イヤホンを使う人も居ますし、ヘッドホンを使う人も居ますし、スピーカーに接続して聴く人も居ます。もっと言えば、街の喧騒の中で聴く人も居ますし、家は家でもエアコンやテレビの音がしている中で聴く人も居ます。もっともっと言えば、イヤホンひとつとってもグレードの違いがありますし、価格帯が同じでも押し出される音域は機種によってかなり異なったりします。そうです。あまりにもそれぞれで、全く指定できないんです。そして、僕が曲を作っているときのリスニング環境は、重低音が強調されるスピーカー若しくはバランス良く全ての音がクリアに聴こえるヘッドホンです。どちらも価格は10000円ちょっとでしたが、まあまあコスパの良いものだと思います。つまり、何を言いたいかと言うと、「曲を作る側は最高の環境で曲を作り、曲を聴く側は最低の環境で曲を聴く(可能性がある)」ということです。これが、なかなか難しい問題なのです。僕が今まで作ってきた曲は家のスピーカーで聴くとそれなりですが、街の喧騒の中でイヤホンで聴くと寒気がします。そもそも、街の喧騒の中で音楽を聴くということ自体に無理があることはさておくとしても、どんな環境でもある程度のレベルで聴こえるようにプロの手によって公共化されている流通曲と比べるとやはりショボショボです。ここら辺のミックス/マスタリングの技術は素人がサクッと踏み入れられる領域ではないので、僕は僕で今やれる事を最大限やるしかないのですが、それでも悔しいし納得できないことも多いというわけです。また、少し観点が変わる話になりますが、作曲者がとてつもない時間と労力、そして人生を賭けて完成させた曲だったとしても、正直リスナーにとってはどうでもよかったりすることもなかなか悔しかったりします。全く響かないことも勿論ざらにありますし、仮に好感触の反応をもらったとしても、「細部までは聴いてくれてないんだろうなぁ」とか「スマホのスピーカーで一回聴いてくれただけなんだろうなぁ」と思うと切なかったりもします。こういう温度差をどう考えるかも、クリエイターの一つの課題のような気がします。


『パソコンくん』
パソコンくんは気難しいです。知らない言葉を使って、知らない動きをします。以前のブログで、僕が立ち向かっているアルバム制作という壁は「創作作業×機械対話作業」であると述べました。いくら才能があったとしても、パソコンくんと仲良くなければ満足いくアウトプットは厳しいというわけです。先日、パソコンくんのポインターが大暴走して、ソフトを初期化しようとしたり見たことない黒い画面を表示したりしました。余りにも意図的な動きだったのでウイルスや遠隔操作を疑いましたが、セキュリティソフトのチェックでは脅威を検出しなかったのでおそらく大丈夫だと思われます(それでも不安ですが)。アルバムを制作するということは、こういう「音楽」と全く関係のないパソコンくんのセキュリティ面などもクリアしていかなければいけないのです。また、バックアップの問題も複雑で、完成した曲自体の保存は何となく分かりますが、ソフト上で作業しているプログラムそのものをこれからも編集できる状態で保存するということが結構ややこしくて、調べみてもスカッとした答えが見つかりません。制作の途中で全部データが飛んでしまったらと思うと……。そもそも、僕が使っている音楽ソフトは大層なアカウント登録の末に、パソコンくんにとあるUSBを挿して使用権利を紐付けないといけないんですが、そういうのもイマイチ理解できてなくて「いいいぃぃ」ってなります。思い返せば、よくこんな大変なものを実際に始めたなぁ……。何にしたって、パソコンくんと友だちになるのはかなり先のことになりそうです。


愚痴でした。とにかく、「どういう曲を作るか考えて、その曲を作っていく」という主題以外の困難が多すぎるんです。ただ、こういう具体的な苦悩は面白そうなので、これからも続いていきそうです。それでは、第8回で。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(6)『やっつけ完成の3曲目 / 大挫折の5曲目 / 好調?の6曲目』

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第6回です。タイトルにもある通り、完成性はさておき6曲目まで登場してきました。それぞれの曲がどのような曲なのかはっきり書いてないので、もう「◯曲目」だけで会話するのは限界かもしれません。書いている本人でもこんがらがるということは、読んでいる側はもっと訳がわからないはず……。ここら辺の視認性向上を検討中です。


『やっつけ完成の3曲目』
一応を二乗したぐらいのニュアンスですが、3曲目が完成しました。正直、納得していない箇所だらけなのですが、これ以上は……という判断です。というのも、3曲目を集中的に制作していた時期からかなり間が空いてしまっているので、録音したギターの質感を再現したり微妙な部分を手直しすること自体、なかなか難しくなってしまったのです。アルバムの曲たちが出揃った時に、少なからず全体的に手直しするはずですが、それにも限界があるので、基本的には現状のクオリティとそう変わらないでしょう。やはり、作るべきタイミングに作り切るべきですね。どんどん、モチベーションも削がれていきますし……。んー、悔しい。かと言ってボツにするほどの余裕もないので、しょうがないんですが。今回の3曲目を通して、「ギターを演奏し録音するということ」にもっとフォーカスしないといけないことに気づきました。このことは、またのタイミングで詳しく書きたいと思います。

『大挫折の5曲目』
アルバムのラストを飾る予定の5曲目ですが、大挫折しました。以前に報告したように、どうしても構成がペタっこいというか素人臭いというかで聞いていられない出来に沈んでしまい、「やってられるか〜!」という感じになりました。ということで、暫くお休みです。ただ、頭の中で思い描いているアイデア自体は悪くないと思うので、あとはそれをどう表現するかといった技術的な問題になりそうです。これがまた難問なのですが……。取り敢えず今は後述の6曲目に集中ですね。

『好調?の6曲目』
突然の「作ってみるか〜」というノリで、6曲目の制作が始まってしまいました。曲調と構成が割と複雑なので、諸々考えないといけないことが多そうですが、今のところ好調と言えそうです。また、ほんの少しずつDTMの勝手も分かってきた今、新しい曲を作る毎に新しい要素にチャレンジして成長したいという気持ちも強くなってきています。ただ、それってかなり大変なのです。自分のやれることを拡張していく作業には大きな労力を伴いますし、そもそも素人の脳内で思いつく工夫や努力では限界があるのも事実です。こういう時にサクッとDTM玄人さんに訊けたらなぁって思うんですけど、自分の周りには勿論そんな人居ませんし、教室やレッスンみたいなものにお世話になるとかなり値が張ってしまいます。つくづく、DTMerって孤独な戦いです。とほほ。

まだまだ掛かりそうではありますが、6曲完成させることが出来ればひとまず折り返しです。「半分」となれば、随分気持ちも楽になることでしょう。実際、積み立ててきた4曲を改めて聴いたりすると、それなりに思うところがあります。この計画、順調と言えるでしょうか。なかなか難しいことだらけですが、いつか完成させている自分を夢見て暮らしていきたいと思います。それでは、第7回で。

ちゅんのMyseroof Album制作進捗日記(5)『余りにも凄いチャットモンチー / 素人DTMerが採れる音楽性の限界』

Myseroof Albumとは…
Myself(自己)とProof(証明)とAlbum(音楽アルバム)をくっ付けた造語で、オリジナルの音楽アルバムを制作することによって、今まで生きてきた自分とその人生の存在を証明しようという計画のこと。

第5回です。悩みの尽きないこのプロジェクト。今回は、個人的な音楽の嗜好なども交えながらダラダラ喋っていこうと思います。

『余りにも凄いチャットモンチー』
最近、『チャットモンチー』をよく聴きます。僕は世代が半分下なこともあって、彼女たちがバンドとしてアクティブだった頃をリアルタイムで追えていません。だから、とても新鮮な感触です。彼女たちの凄さは、「洗練された少ない要素たちから生み出される圧倒的な個性と奥行き」だと思います。活動期間の長くをスリーピースとして過ごし、それ以外の期間も音楽性としてシンプルなロックというところから大きく逸れなかった彼女たちの曲を聴いていると、人数や音数の少ない方がむしろ個性や奥行きをグッと前に押し出すんじゃないかというような気がしてきます。『染まるよ』という曲があります。曲調やアレンジがとてもシンプルで、最低限のギターとベースとドラムと歌だけなのですが、それでも圧倒的なパワーを持っています。余りにも凄いです。恐ろしいです。そうやって彼女たちの音楽に触れていくと、『チャットモンチー』って「自分たちの持っているカードをそのまま使ったり逆さにしたり裏返したり組み合わせを変えたりしてとにかく弄り遊び倒したバンド生涯」だったのかなぁって勝手に思います。例えば、女性アーティストであることをまっすぐ歌うこともあったりフリにすることもあったり……。この個人性こそが、バンドという音楽形態における最も生命的な在り方なのかもしれません。とにかく、『チャットモンチー』と出会ったことによって僕の中にはこういうニュアンスの感動が生まれた訳なんですが、これを自分の音楽に反映させようと思ってもそうはいきません。Bパートへ続きます。

『素人DTMerが採れる音楽性の限界』
DTMerというのは、パソコンで曲を作る(Desk Top Music)人のことです。僕は素人DTMerです。『チャットモンチー』に話を戻すのですが、彼女たちのような要素の少ないシンプルな曲を作るというアプローチは、取っ付き易いようでいて実は真逆と言えます。なぜなら、素材自体が光り輝いている必要があるからです。彼女たちだけに限らずメディアの中で流通しているロックミュージックは、ウン十万円の楽器や機材たちを使って高品質な形式で録音され聴きやすいように整えられています。そして何より、その人たち自身のパーソナリティや演奏が加わることによってより価値をグンと高めているのです。残念ながら、そういうアプローチを素人DTMerが表現しようとすることは無謀です。ギターなどの弦楽器をアナログの質感そのままにパソコンに録音することはなかなか難しく、VOCALOIDは橋本絵莉子のように自由で感情的な声で歌ってはくれません。ですので、DTMなりのアプローチを採る必要があります。ただそうなると今度は、パソコンに内蔵されてる画一的な素材たちを上手く調理する腕が求められてきます。うーん、難しい。今挙げたどのアプローチとも取れない絶妙なところにちょうど落とすことが出来れば万々歳ですが、果たしてどうなることやら……。

という訳で、今回はちょっと込み入った話をしました。こういう要素や問題を挙げていけばキリがありません……。何とか騙し騙しの一歩ずつでやっていけたらなって感じです。それでは、また第6回で。