はじめに
ということで、第3回。「今までの常同的な生活や価値観を尊重しつつも、この機会に自分という世界を拡張してもいいかな」のコンセプトで、新しいものをインプットandアウトプットしていますよ〜。
ⓐ「おすし」さんからの紹介 映画『すずめの戸締まり』
職員「おすし」さんから、新海誠監督の大ヒットアニメーション映画を紹介してもらいましたよ。新海作品は『すずめの戸締まり』どころか、『君の名は』『天気の子』あたりも全く観たことがなかったので、これは良い拡張のような気がします。ということで、以下ネタバレ含むアウトプット。
まず、映画としての初速の速さに良くも悪くもびっくりしました。あっという間に鈴芽と草太が出会って、あっという間に惹かれ合って、あっという間に世界に問題が起きて、あっという間にドタバタロードムービーへ。「とにかくまず世界観へとお連れしますんで付いてきてください」といった感じで、ここは結構好みが分かれそうだな〜と。 ただ無理やり勘繰れば、序盤でグッと掴まないと作品/興行として成立しにくいという側面もあるんでしょうし、最初から何もかも説明しちゃうのも味気ないので、ここら辺は色々と考えてるんだろうな〜と思います。実際、鈴芽自身のバックボーンは物語が進むにつれ少しずつピースがハマっていくわけで、これが現代における「脚本」ということでもあるような。
とは言え、もうちょっと序盤の段階で鈴芽の人となりみたいなものが間接的に描写されててもいいような気がします。草太との出会いも軽すぎるし、色々と「速い」……笑。
そして、一番気になったのは我々が暮らす現実世界とのリンクですね。序盤からサブリミナル的に、LINE/マクドナルド/EVEとかがほぼ実名で登場するんですが、こういう演出は観る側の没入感をグッと深めますね。どう許可を得てどれくらいお金をかければ使用してもいいのかといったところにも興味が湧きます。そこから中盤以降はドライブシーンに於いてたくさん既存曲が使われたりしてますが、ここまでやられちゃうと、ちょっと冷めちゃう気もします……笑。
その中でも、一番重要なのは実在の震災をフィクションに使ってもいいのかという点ですかね。実在の戦争や天災そのものをテーマにしたドキュメンタリー寄りの作品、もしくは架空の戦争や天災をテーマにしたフィクションの作品なら全然構わないと思うんですが、実際に被害に遭った人がいる震災をベースがフィクションの作品の中に混ぜてしまうのは、うーんどうなんだろう。東日本大震災に関してはまだ10年少しで復興の途中でしょうし、関東大震災に関しても100年近く経っていたらOKなのかってなるとそれも違う気がするし……。
いずれにせよ、新海監督は「3.11」をずっと想いながら映画を作っていたようです。鈴芽が神戸を経由するのも、阪神淡路大震災を意識してのことだそう。こういう大事なことを改めて描くというのは「映画」の大きな役割のひとつだとは思いますが、今作のアプローチは少し賛否が分かれるかもしれませんね。
他にも、細部の軽さ/小難しさはあれこれ感じたりしましたが、キリがないのでこのへんで。総じて、スペクタクルできらきらした映画ではありました。2時間で宮崎から岩手まで。ロードムービー特有の豊かさが、自分の中で小さな思い出になった気がします。
最後にちょっとグッときたシーンを。草太が一時的に要石になったあと、色々と憔悴しながらも鈴芽は草太のアパートで入浴しますが、ああいう緊急事態の中に息づく暫定的な生活行為みたいな、日常と非日常が融合するシーンにはかなり胸を打たれました。あの一連の流れって、言葉や文章で説明しちゃうと価値がガクッと下がっちゃうわけで、こういうところは「映画」というものが持つパワーなのかもしれませんね。
ⓑ「ちくわ」との共同プロジェクト 面接『興味ないもの座談会』
職員「ちくわ」さんとの共同プロジェクトで実施した『興味ないもの座談会』についてアウトプットします。
「ちくわ」さんと一緒に新しい自拡の形式を打ち合わせする中で、お互い「話し相手が自分の興味がない話題を喋っている時にどう聞けばいいんだろう?」みたいな、会話上の小さな悩み/特性がやや共通していることが分かりまして、そこから今回の企画に発展しました。具体的には、面接形式でお互いがお互いに興味のないことを話してみて、「どう思い感じ考えるか」といったアプローチです。
例えば僕(ASD者)の場合、自分の興味のあること以外はどう接すればいいのか困る場合もあるので、そういった意味で自拡のヒントになるのではといった狙いでもあります。
肝心の「お互いの興味のない話題」ですが、それぞれが馴染みのあるスポーツの話を相手に聞かせるといった形を採りました。僕はサッカー、「ちくわ」さんはバスケです。これらをその話題にあまり興味がない相手に話してみて、相手はもちろん自分自身も「何を思い感じ考えるか」。かなり抽象的で不思議な取り組みにはなりましたが、色々と面白かったですよ。
まずは「ちくわ」さんのブロックからスタートです。僕も気になったところは止めて質問しつつ、主にバスケのルールに関して教えてもらいましたよ。色々と不思議で細かいルールがあるんだな〜と感心しました。会話上の細かいことはもう少し後で言及しますね。
次に僕のブロック。同様にサッカーのルールに関して話してみました。僕は、自分や自分の生活の中にサッカーが有るのが当たり前だったので、あまりサッカーに詳しくない人と話すのは刺激的でした。オフサイドにしたってよく分かんないですよね。
そして最後には、話してみて聞いてみて「どう思い感じ考えたか」を共有し研究しました。「相槌ってあった方が嬉しいね」、「相手が質問してくれた方がスムーズに進むね」、みたいなベーシックなものから、「それでもそれぞれ感覚が違うから上手く擦り合わせるのは難しくて当然よね」という大きな問いかけまで、結構自由に振り返りを行いました。
個人的な発見としては、自分自身が案外相手のことを考えて(=キャッチボールを意識して)会話をしようとしていたことです。こういう(自閉的)特性ですから、独善的に喋ってしまう傾向を自覚していたのですが、ここ数年の様々な関わりによって、そういう相互性みたいなものがある程度はインストールされていたようです。
それが上手く行えているかどうかは分からないですし、その姿勢のみが必ずしも正しいとは思いませんが、自分のあまり意識していないところで自分が変容していることに気づいて少し新鮮でした。
結局、「話題自体に興味がなくてもその人自体に興味があれば、ある程度は聞いていられるね」みたいなところには落ち着きました。それに加えて、「仕事」としての責任もそりゃ関係しているよねという感じ。会話のトレーニングみたいな訓練的な文脈にはあまり着地したくないのはあるんですが、それでも色々と学び得るものがあったと思います。以下、「ちくわ」さんによる感想も載せておきますね。
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<「ちくわ」の感想>
お互いに興味のない話をしてみて
日常生活のなかで、興味のない話を突発的に聞かされることはあるし、知らず知らずのうちに相手が興味のない話を自分がしてしまっていることもある。ただ、今回は最初からお互いに興味のない話をしようと決めて臨んだのが新鮮だった。
今回の構造が1対1で、無反応は貫きづらいし、意外と興味がないと思っていた話でも興味を持ててしまい趣旨とはズレる形になった。
これが講義形式や反応を制限するなど一方的な情報の提示だとまた変わった結果になったと思う。
どういう時に話に興味が持てなくなるのか考えていくのも面白そうだなぁと。 「ちくわ」
ⓒ「ちくわ」さんとの共同プロジェクト『モール手芸』
連続!「ちくわ」さんとの共同プロジェクトです。いきなりですが、下の写真のような、「モール」ってご存知ですか?

中に針金が入っていて、ググッと力を加えると形を変えることができるんです。そうやって自由にモールたちを組み合わせて、アクセサリーや装飾を作ったりする試みを今回は行いました。どうやら、巷のTikTokなんかでは結構流行っているみたいです。
そもそもこのモール手芸ですが、「今度は『ちくわ』さんがやりたいことをやりましょう」と僕が提案したことから始まりました。僕は結構、あれはやりたいこれはやりたくないという感じで生きてきたので、相手のやりたいこと(≒自分はあんまり興味のないこと)に触れることが、良い自世界拡張になるのではと考えたからです。
「ちくわ」さんもこのモール手芸に前々から興味があったそうですが、なかなかタイミングがなかったようで、今回良い機会になりました。
近くの百均に行って、カラフルなモールとアクセントになりそうなものを買い込むことから活動は始まりましたよ。思ってたよりも普通にモールというものが売っていて、少しびっくりしました。人間、興味のない商品棚って見てないものですね。

いろいろ開封済みの事後撮影ですみません。当日はすごくバタバタしていて、作るのに夢中だったのです。イヤリングなんかも買いましたよ。
こうやって、割り箸や鉛筆などの細い棒にくるくる括り付けて型を付けたりしながら、製作を進めます。

作ってて分かったんですが、モールにしたって何だかんだ針金なので、結構手が痛いです。 「ふぎーっ!」となったりします。あと、クリスマス仕様のキラキラなモールを買ったので、ラメ部分が剥がれて床にぱらぱら落ちたりもします。皆さんも同様のことをするときは、「ふぎーっ!」となる心構えと、床をコロコロ掃除できるものを準備しておくことをオススメします。
とまあそんな困難を乗り越えて、何とか完成したものがこちらです!⭐️

中央のクリスマスツリーは共作、下のリースふたつは「ちくわ」さんが作りました。どれも可愛い仕上がりになりましたよ。クリスマスツリーに関しては、謎のシナジーが突然発生して、いつの間にか出来ていました。星のオーナメント代わりにイヤリングがぶら下がっています。こういう不思議な出会いも楽しいものですね🎄
総合的に良い活動になりました。手芸みたいなものは普段まず全くやらないですし、久しぶりに手先をちまちましました。また、未知のものに対して「こうやったらどうだろう?」、「ああやったらどうだろう?」と試行錯誤したことも豊かな経験になったと思います。
「ちくわ」さんとの共同プロジェクトは、次回がラストになりそうです。ラストに相応しい活動を計画していますよ、お楽しみに。ということで、 以下、「ちくわ」さんの感想も載せておきますね(モザイクのところは本名です)。
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おわりに
このはじめにとおわりにが必要なのかどうか悩んでいます。ただでさえ爆弾文字数なのに、更に延びてしまってトホホ。とは言え、冒頭はこのブログの趣旨を説明しないといけないし、最後はまとめとして一言載せたいし……。
とまぁ、色々悩みながらもぼちぼちやっていくので、よろしくお願いします!

